君に夢中で恋してる*

「あっ、俺…隣のクラスの友達のところに行かないといけないんだった…。」


突然、ハッとした表情で携帯電話を取り出した日向君。


今の時間を確認すると、私に視線を向けた。


「ごめん、俺…そろそろ行くよ。」


「こ、こちらこそ…ごめんなさい。私が生徒手帳を落としたまま、電車を降りたせいで、日向君の大切なお昼休みを無駄にしちゃって…。」


「無駄じゃないよ。少しだけど、椎名と話が出来て楽しかったから。」


えっ…?


思いもよらぬ言葉に、瞬きを何度も繰り返しながら見つめると、日向君はニッコリと微笑んだ。


「椎名は、いつもここで昼ご飯食べてるのか?」


「え、えっと……ここで食べるのは今日が初めてなんだけど、静かで落ち着けるから…これから頻繁に来ようかと思って…。」


質問に素直に答えると、日向君は“そっか…”と笑顔で頷いた。





「じゃあ、今度は俺も…ここで昼ご飯食べようかな。静かで落ち着ける場所、俺も好きだから。」



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