君に夢中で恋してる*

「せ、先生…。どうしたんですか?」


何か話があるのかな…?


深刻な話だったりしたら、どうしよう…なんて、ソワソワしていると、先生は顔の前でパンッと両手を合わせた。



「椎名、悪いが…ちょっと資料運びの手伝いしてくれないか?」


「えっ、私が…ですか?」


「ああ。本当はクラスの男子に頼んであったんだが、逃げられちゃってさ。誰か代わりに頼める生徒を捜してたんだよ。」


そ、それで私に声を掛けたのか…。


「いや〜良かった。資料は、職員室に置いてあるから、一緒に来てくれ!」


「あの、私…これから家に帰るんですけど…」


「すぐに終わるから、大丈夫だ。」


「で、でも…」


「頼む、椎名!」


先生の真っ直ぐな視線に圧倒されてしまった私。


「うぅ、分かりました…。」



結局、渋々ながらも資料運びを手伝うことにした。



< 47 / 305 >

この作品をシェア

pagetop