君に夢中で恋してる*
「せ、先生…。どうしたんですか?」
何か話があるのかな…?
深刻な話だったりしたら、どうしよう…なんて、ソワソワしていると、先生は顔の前でパンッと両手を合わせた。
「椎名、悪いが…ちょっと資料運びの手伝いしてくれないか?」
「えっ、私が…ですか?」
「ああ。本当はクラスの男子に頼んであったんだが、逃げられちゃってさ。誰か代わりに頼める生徒を捜してたんだよ。」
そ、それで私に声を掛けたのか…。
「いや〜良かった。資料は、職員室に置いてあるから、一緒に来てくれ!」
「あの、私…これから家に帰るんですけど…」
「すぐに終わるから、大丈夫だ。」
「で、でも…」
「頼む、椎名!」
先生の真っ直ぐな視線に圧倒されてしまった私。
「うぅ、分かりました…。」
結局、渋々ながらも資料運びを手伝うことにした。