君に夢中で恋してる*
それから10分後。
「悪かったな、椎名。ありがと!」
職員室から教室まで、先生と一緒に資料を運び終えた私は、先生に軽いノリでお礼を言われ、苦笑いしてしまった。
絶対、悪いとは思ってないな…先生。
はぁ…。
また自分のクラスまで戻って来ちゃった…。
今度こそ帰ろう…。
教室をゆっくりと出る。
昇降口に向かう途中、渡り廊下を歩いている時に、私はピタリと足を止めた。
ここから見えるグラウンド。
ふと、日向君のことが頭に浮かんだ。
そう言えば、日向君…スポーツ万能だから、色んな運動部から声掛けられて…
結局、いくつかの部活をカケモチしてるらしいんだよね…。
今日は、どこかの運動部で活動してるのかな…?
見つけられたらいいのに…。
日向君を捜すべく、グラウンドをキョロキョロと見回していると、後ろからポンポンと肩を叩かれた。