君に夢中で恋してる*
「俺、そろそろグラウンドに行くよ。もうすぐ練習試合が始まるから…。それじゃあ、またな。」
軽く手を振って、日向君はグラウンドの方へと足早に向かって行く。
その姿を見ながら、私は棒のように突っ立っていた。
日向君が私の作ったお弁当を食べたい…って言ってくれたんだ…。
夢みたいだけど、夢じゃない。
ドクドクと鼓動が速くなっていく。
嬉しさがジワリと体中を駆け巡った。
よし…!
日向君のために、お弁当…頑張って作ろう…。
明日から土日になっちゃうし、週明けに作って渡そっと…!
心の中で気合いを入れる。
足取り軽く歩きだそうと思った私だけど、不意にグラウンドに視線を向けた。
確か、今さっき…
日向君…練習試合があるって言ってたよね…?
ということは、グラウンドに行けば、サッカーの試合をしている日向君を見れるんだ…。
み、見たいな…。
ちょっと見に行ってみようかな…。
思い立った私は、すぐに昇降口へ。
外に出ると、ウキウキしながらグラウンドに向かった。