君に夢中で恋してる*

わっ…。
女の子たちがいっぱい…。


グラウンドへとやって来た私は、目を見開く。


そこには、サッカーの試合を観戦に来ている女の子たちが、人だかりを作っていた。


「日向君、カッコいい〜!」


「頑張って〜、夏綺君っ!!」


色んな男の子への声援が飛び交っているけれど、中でもダントツに多いのは日向君に向けた声援だ。


やっぱり、人気があるなぁ…。


さすが日向君…。


そう思いながら、私は女の子たちの後ろに、こっそりと立った。


本当は、人だかりを掻き分けて、一番前で日向君のサッカーしている姿を見たいけど……


そんな大胆なことが、私に出来るわけがない。


ここから、密かに応援しよう…。


心の中で静かに頷いた時だった。



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