君に夢中で恋してる*

ど、どうしよ…。


なんで、試合を見に来てるんだろう…なんて不審に思われたかも…。


おそるおそる日向君に視線を向けると、もうこちらの方は見ていなかった。


はぁぁ…驚いた。


心臓、バクバクしちゃったよぉ…。


胸元をゆっくり擦った。


ま、まあ…日向君がこちらを見たからって、私を見たとは限らないよね…。


周りには、たくさん女の子が居るわけだし…。


私を見てくれた、っていうのは…ちょっと自意識過剰かな…。


心の中で静かに頷きながら、苦笑いしてしまった。


よし…!


まだ試合やってるし、私は…精一杯応援しよう…!


その後も日向君の活躍に、気持ちが高揚していく私。


気付けば、周りの女の子たちと同じぐらいの大きな声で、日向君に“頑張れ”と声援を送っていた。


仲間のゴールをアシストしたり、綺麗なロングパスを通したり…。


普段の授業や休み時間の日向君とは、また違ったカッコよくて素敵な一面に、私の心はトキメキっぱなしだ。


ずっとずっと見ていたい…。


そう思うほど、夢中になっていた。



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