君に夢中で恋してる*
ゴールをキメて、チームの仲間と喜んでた時、何気なくグラウンドの入り口の方に視線を向けた俺。
思わず、“あっ”と小さく声を漏らしてしまった。
なぜなら、歓声を上げるたくさんの女子たち。
その人だかりの一番前に、椎名が居たからだ。
俺の視線に気付いて驚いたのか、慌てた様子で俯く椎名。
その姿がなんだか可愛くて、笑みが零れた。
てっきり、あのまま帰ったんだと思ってたけど、試合…見に来てくれたんだ…。
俯いたままの椎名を見ながら、心には嬉しい気持ちが広がった。
その後は、ボールを追いかけながら、椎名の方をチラチラと見ていた。
気付かれないように、こっそりと。
試合に集中しなければ、と頭では思っているのに、視線は自然に彼女の方へと向けてしまっていた。