君に夢中で恋してる*

“日向君、頑張れ!”


女子たちの歓声に交じって、聞こえてくる椎名の声。


不思議だった。


他の女子も声を出しているのに、椎名の声だけが俺の耳にハッキリ届くから。


何度も聞こえてくる声援に、力が漲る。


いつも以上に頑張ろうと気合いが入ってしまった。


試合に勝って、仲間と喜んだ後…真っ先に見たのは、もちろん椎名。


一生懸命、応援してくれた彼女が、どんな表情をしてるのか気になったんだ。


椎名に視線を向けた瞬間、ドクンッと鼓動が波打った。


目に映ったのは、椎名のとびきりの笑顔。


あんな満面の笑顔を見るのは初めてだ。


可愛い過ぎるだろ…。


目が離せなくて、思わずジッと見つめちまった。


正直言って、ずっと見ていたいと思ったんだ…。



< 70 / 305 >

この作品をシェア

pagetop