君に夢中で恋してる*
「えっと、日向君…?」
どうしたんだろう…と疑問に思っていると、パアッと日向君の表情が綻んだ。
「口に合わない…なんてこと、全然ねぇよ。っていうか、めちゃくちゃウマい!」
「えっ?」
聞こえてきたのは、私が予想していたものとは正反対の言葉だった。
「このオムレツ、フワフワでチーズもとろけるし、すげぇ美味しい!俺、こんなオムレツ食べたの初めてだ。」
目を輝かせている日向君に、ドキンッと大きな音をたてて心臓が跳ねた。
「そ、それは…褒めすぎだよ…。」
「そうかな?俺としては…素直な気持ちなんだけど…。」
日向君は、ゆっくりと私の手を離すと、温かい笑みを零す。
その表情に、体温が一気に上昇していく感覚がした。
オムレツだけで、こんなに褒めてもらっちゃったのは、照れくさいけど…
好きな男の子に、手作りの料理を“美味しい”って言ってもらえるのは…凄く嬉しいな…。