君に夢中で恋してる*

「えっと、日向君…?」


どうしたんだろう…と疑問に思っていると、パアッと日向君の表情が綻んだ。


「口に合わない…なんてこと、全然ねぇよ。っていうか、めちゃくちゃウマい!」


「えっ?」


聞こえてきたのは、私が予想していたものとは正反対の言葉だった。


「このオムレツ、フワフワでチーズもとろけるし、すげぇ美味しい!俺、こんなオムレツ食べたの初めてだ。」


目を輝かせている日向君に、ドキンッと大きな音をたてて心臓が跳ねた。


「そ、それは…褒めすぎだよ…。」


「そうかな?俺としては…素直な気持ちなんだけど…。」


日向君は、ゆっくりと私の手を離すと、温かい笑みを零す。


その表情に、体温が一気に上昇していく感覚がした。


オムレツだけで、こんなに褒めてもらっちゃったのは、照れくさいけど…


好きな男の子に、手作りの料理を“美味しい”って言ってもらえるのは…凄く嬉しいな…。



< 78 / 305 >

この作品をシェア

pagetop