君に夢中で恋してる*
慌ててお弁当箱を片付けた私は、ゆっくりと立ち上がった。
えっと、次の授業は数学だっけ…。
うぅ…。
嫌だなぁ…。
苦手な科目だけに、憂鬱な気分が増していく。
どんよりしていると、日向君が私の顔を覗き込んだ。
「椎名、どうした?急に表情が曇ったけど……」
「わわっ、日向君!?」
顔…近いっ!!
ビックリして体が仰け反ってしまった。
私ってば、今の気持ちが素直に顔に出てるんだ…。
日向君に直ぐに気付かれちゃったよ…。
「椎名?」
「あっ、えっと……大したことじゃないの!次の授業の数学が、憂鬱だなぁ…って思っただけだから…。」
「そっか。数学、苦手…?」
「うん…。問題を見ると、頭がフリーズしちゃうんだ…。なんとか克服したいとは思うんだけど……。」
なかなか苦手なものには手をつけないんだよね…。
もうすぐ期末試験だし、せめて…試験に出題される範囲だけでも何とかしたいな…。