君に夢中で恋してる*
「で、何か用?」
「あのさ、これから俺の家でテスト勉強しようぜ?俺、今回のテスト…ヤバいんだよ。」
中学の頃から、テストがある時はいつも“ヤバい”って言ってるじゃねぇか。
今回に限ったことじゃねぇだろ。
「悪いけど、無理。俺…用事があるから。」
碧の誘いを即行で断った。
俺は、これから椎名と勉強することになってんだよ。
碧に付き合ってる暇はない。
「じゃあな。」
そそくさと退散しようとした時。
「あっ、ちょっと待て!」
碧にガシッと腕を掴まれた。
「何だよ、まだ何かあるわけ?」
低い声が零れる。
若干、イラつきながら聞くと、碧はニッと笑顔で頷いた。
「なあ、椎名 星愛ちゃん…っていう女の子、夏綺と同じクラス?」