君に夢中で恋してる*
「で、実際どう?星愛ちゃんに話し掛けたりしてる男は、たくさんいるの?」
「いや、話し掛けてるのは友達の女子ぐらいだと思う…。」
俺が椎名のことを知ったのは、つい最近。
入学した当初から見ていたわけじゃないから、本当のところは…よく分からない。
もしかしたら、今までに椎名に話し掛けたことのある男は、いたかのもしれないけど。
「あー、なるほどね…。可愛すぎて近寄りがたい…って感じの女の子なんだろうな、星愛ちゃんは。」
一人で納得している碧。
っていうか、椎名のこと…馴れ馴れしく名前で呼ぶなよ…。
なんか、妙にイラつく。
眉をしかめる俺だけど、碧は全く気にしていないようだ。
「ところで、どの子が星愛ちゃん?俺も一目見たいんだけど。」
俺たちのクラスの入り口で、碧は教室内をキョロキョロと見回す。
俺は、そんな碧の視界を遮るようにして立った。