ドライヴ〜密室の教習車〜
 ふいに、文乃が不安そうな声を出したので、私は少し驚いた。

「どうしたの?」

「あのね。またあの子の教習入ってるの。村上くん」

「マジで」

 文乃が不安がっている原因を聞き、私はすぐに納得できた。


「……でも、弥生になるべく入れないようにしてもらってるんじゃなかったっけ」

「そうなんだよね。なんでだろ。別の人が作ったのかな、この配車」

 浮かない表情の文乃。

 私は、少し心配になる。
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