ドライヴ〜密室の教習車〜
「ん。まずは情報が必要だろ」

 篠さんは、まっすぐに一人の刑事の方へと向かった。

「公史」

 篠さんにそう呼ばれた刑事は振り向くと、彼に向かって右手を上げた。

「おう。敬太郎か」


 ズッギューーーン!


 打ち抜かれた。

 刑事に、拳銃で打ち抜かれてしまった。


 そう、乙女のハートを。


 柔らかそうな、栗色の髪。
 黒目の多い、クリッとした瞳。

 一言でいうと、極甘フェイス、である。

 極めつけは、刑事らしいその服装が、実はスーツフェチである私にとって、あまりに刺激が強すぎる。

 なにこれ!
 この《フォアグラの天ぷら、しかも衣はキャビア》みたいな、ありえない豪華さは!
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