ドライヴ〜密室の教習車〜
公史さんの表情に、ふいに影が落ちたように見えた。
「そうだったんですか」
かなり神妙な面持ちだ。
「僕にも、あの方がそんな恐ろしいことをするような人には、とても見えないんです」
「公史。俺は、なぎさんから里卯文乃さんを助けるように頼まれた。彼女は、本当に殺人を犯したかもしれないし、無実かもしれない。後者を信じて依頼を受けたが、どっちにしろ、事件の真相を知る必要がある」
篠さんの力強い言葉に、公史さんも深く頷いた。
「うん、わかってる。ただ、情報を全部垂れ流すわけにはいかないから、いつもどおり《ヒント》で勘弁してくれよ」
「うん。充分だよ」
篠さんが、口の右端を上げる。
そして、続けた。
「まず、一番気になるのが……被害者の村上さんが刺されたのは、背中だったよな」
「そうだったんですか」
かなり神妙な面持ちだ。
「僕にも、あの方がそんな恐ろしいことをするような人には、とても見えないんです」
「公史。俺は、なぎさんから里卯文乃さんを助けるように頼まれた。彼女は、本当に殺人を犯したかもしれないし、無実かもしれない。後者を信じて依頼を受けたが、どっちにしろ、事件の真相を知る必要がある」
篠さんの力強い言葉に、公史さんも深く頷いた。
「うん、わかってる。ただ、情報を全部垂れ流すわけにはいかないから、いつもどおり《ヒント》で勘弁してくれよ」
「うん。充分だよ」
篠さんが、口の右端を上げる。
そして、続けた。
「まず、一番気になるのが……被害者の村上さんが刺されたのは、背中だったよな」