ドライヴ〜密室の教習車〜
「大丈夫です。私、信じてますから……文ちゃんのこと」

 公史さんのことも……と、付け加えたかったが、やっぱり恥ずかしくて言えなかった。



 こちらに会釈をした後、向こうへ去って行く公史さんの姿を、しばらくぼんやりと眺めていた。



「なぎさん? 口開いてるよ」

 そして、篠さんの声で、無理矢理現実に引き戻されてしまった。
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