ドライヴ〜密室の教習車〜
「へ! まじで」


 私もつられて、リアクションが大きくなる。

「事件が起こるまで、なんか変な様子はなかった?」


 すると、藤田さんは「う〜ん」と意味ありげに唸ってみせた。

「今思えば、ほら村上って結構上手いじゃん? アイツにしては……なんかイマイチな運転ではあったな」

「イマイチって? どういう感じだったの」

 つっこんで聞くと、ますます藤田さんの唸り声は大きくなった。

「う〜ん!……あれ、なんでオレはイマイチって思ったんだっけ?」

「知らねーよ。今、まさに、その口からの答え待ちだよ」

 そして、しばらく唸り続けた後、藤田さんが「あっ」と声を上げた。



「そういえば、やたらブレーキランプがついてたな」
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