ドライヴ〜密室の教習車〜
「なぎさーん」
 
 篠さんの小さい声が聞こえてきたが、気にしない。


「この中で……3、4、5……6人の教習したことあるよ。中でも、相川翔太くんと、桂木沙耶香ちゃんと、与田里子ちゃんはよく教習するかな。そういや、緑大って言ってたっけ」

「村上くんと同い年なのは……相川くんと、与田さんだね。二人に聞いてみれば村上くんのことももっとよくわかるかも」


 なるほど……と、篠さんは私達の話に頷いてくれた。

「よし! なぎさん、この二人と連絡は取れそうか?」


「いや。言われなくても、今、電話かけますって。そう、あせんないでくださいよ」

 私は、ぶっきらぼうにそう言った。


 篠さんはちょっとだけ、シュン、としていた。
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