ドライヴ〜密室の教習車〜
愛にゆく
〈1〉
先程までいた喫茶店から一度外へ出て、壁伝いに左側に回ると銀色の階段が2階へ向かって伸びていた。
その階段は、空の方へと足音をよく響かせた。
行き止まりには扉があり、その横に白色のプラスチックの板で施された小さな看板が打ち付けられてあった。
「……篠敬太郎探偵事務所、ですか。ところでなんでフルネーム?」
「自分の名前が好きだからだ」
想像していた以上につまらない答えを聞いてしまった私は、すでに座っていた来客用のソファの上でお尻の位置を直す。
背もたれに体を預けた。すると、安っぽい音を立ててきしんだ。
若干イラッとしつつ、改めて事務所の中を見渡してみる。
現在、私がいる位置は、篠さんが依頼人と話をする場所らしい。
二人がけ用の茶色いソファが向かい合っている。
その間には、透明なガラスのテーブルがある。
先程までいた喫茶店から一度外へ出て、壁伝いに左側に回ると銀色の階段が2階へ向かって伸びていた。
その階段は、空の方へと足音をよく響かせた。
行き止まりには扉があり、その横に白色のプラスチックの板で施された小さな看板が打ち付けられてあった。
「……篠敬太郎探偵事務所、ですか。ところでなんでフルネーム?」
「自分の名前が好きだからだ」
想像していた以上につまらない答えを聞いてしまった私は、すでに座っていた来客用のソファの上でお尻の位置を直す。
背もたれに体を預けた。すると、安っぽい音を立ててきしんだ。
若干イラッとしつつ、改めて事務所の中を見渡してみる。
現在、私がいる位置は、篠さんが依頼人と話をする場所らしい。
二人がけ用の茶色いソファが向かい合っている。
その間には、透明なガラスのテーブルがある。