月光
その日は日曜日だったのを覚えてる。
とても仲の良いお母さんとお父さんは、月末の日曜日は決まって二人でデートをするのだ。
こういう時はいつもお母さんの知り合いが私達を見ててくれていたのだけど、もう六歳だった私達は留守番をしてみたくて二人だけで大丈夫だと言い張った。
春の暖かい日差しが窓から部屋に差し込む。
私達は初めての留守番にドキドキして二人して部屋を行ったり来たり、そわそわしていた。
「お母さん達いつ帰ってくるのかな?」
「何だよ雅、もう寂しくなったのか?」
「別に違うけど・・・」
「・・・、じゃあ庭で遊ぼうぜ!」
「お庭で?」
「うん!ほら、いつもはおばさんが居るから出来ないけど、今日は居ないから泥んこ遊びも出来るぞ!」
「わぁ、楽しそう!遊ぼ遊ぼ!」
聖のその言葉に、私はそわそわして居たのも忘れてはしゃぎながら庭に繋がる窓を開けた。聖も楽しそうで、私の隣に立って早く庭に出ろと急かしてくる。
転げる様にして庭に出た私達は早速泥んこ遊びを始めた。泥団子を作ってみたり、兎に角沢山遊んだ。
遊び始めて二時間程経った所であいつはやってきた。