太陽の詩~君と見た夢の空~
「‥‥って、遠野じゃん!!」
「‥‥氷野‥君?」
そこに走って来たのは同じクラスの氷野太陽(ヒノタイヨウ)(16)。
紗季の幼なじみで、二年生ながらにしてプロからも有望視されている野球部のエース。
そんな凄い選手なのに、何故か野球部が平凡レベルのうちの学校にいる。
その爽やかなルックスと人並み外れた運動神経に惚れる、熱狂的なファンも校内外に少なくない。
「てか、大丈夫??!!ボール当たったりしてない?!どっか怪我したりとか‥‥。」
「大丈夫、大丈夫。ボール避けて転んだだけだから。ボールも当たってないし。」
「マジ?本当に大丈夫?」
「大丈夫。」
「ごめんなっ。」
そう言って氷野君は手を差し伸べた。