天使の残像─君が消えたセカイの幸福論─
永遠。永遠。永遠。
ぐるぐると、回る言葉。
「永遠って、何?」
「シアワセよ」
「シアワセ?」
「そう。皆が、望むこと」
ちょうど、その時に彼女は一歩前へ出た。
「あなた、さっきから質問ばっかり。そろそろ飛ぶわ、あたし。あなたはどうするの?」
彼女は首を傾げた。
「僕は……飛べないよ」
そう答えると、彼女はくすりと笑った。
「──そうね」
ひゅう、と、風が吹いた。彼女の細い身体が揺れる。