私の恋人は布団です。


「ねぇ,いいの……?布団君居るんでしょう」


 加南子の言葉に,延は一気に顔面蒼白になった。


「あ……!」


 そう言えば,先輩も一緒に居たあの時,隆也は延に対して恋人発言並みの言動をしていた。


(鉢合わせしたら?)


(それより,母親にバレでもしたら!)


(勘当にさえなりかねない)


 延は脳内で最悪の展開を思い浮かべた。


「ヤバイ!!!!」


 延は,絶叫したと同時に,司書の先生に起こられた。


(そうよ!どうするの…?)


 あの能天気な顔を思い出して,延はまた腹が立ってきた。


「……延,悪い顔になってる。悪い顔になってるから」


 加南子は,親友の不幸を楽しんでいた。


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