私の恋人は布団です。
(これはまた胡散臭い神だわ……って,えぇ!?こんなのが神なの!?)
茶髪に長髪。
耳にはピアス。
甘い目元に顎鬚。
そして,調子の良い喋り方。
それは,夜の世界の住人ばりのビジュアルだった。
夜の世界と言えば,間違ってはいないのだが。
(まるでホストだけど……いや,ホストの人と話したことは無いけど。偏見かな……)
「いやぁ,本当だよ?オレ,神様だし☆」
“てへっ”とピースをしながら笑う自称カミサマは,延のベッドの枕の上に居る。
「その手の類はお断りしてマス……」
延はぽいっと枕を投げた。
「ちょっ!何すンの!?」
「ですから,もうお腹一杯です。むしろ胸焼けです。……どっか行け」
「はぁあ~……延チャンの突っ込み,痺れそう……」
(私の部屋がいつの間にか変態の集合場所に……)