私の恋人は布団です。
延は,ますます不審に思った。
「神様だから☆」
「はぁああああ!?」
「ごめーん。全部聞こえちゃうんだナ,コレが☆」
(……電波……この人,正真正銘の電波!!!!)
「ん~?電波ってナニ?」
延は段々と意識が薄れていくのを感じた。
(着いていけない……私には,もう……無理……)
「寝るの?いいよ。そっちの方が俺は楽だしィ」
「……もういいです……寝ます……」
「延さん!俺は……」
隆也がベッドに乗ってきたのを足蹴にして延はぼふっと横たわった。
「そ,そんなぁ……!!」
隆也は相変わらずさめざめと泣き出した。
心地よい眠気が延を包み込んでいた。
ふと,周りを見る。
チカチカした閃光と赤い色が目に飛び込んできた。
「ようこそ!俺の城へ♪」
そこは,ホストクラブを思わせる豪華な部屋だった。
(寝ても覚めても疲れるって……どういうこと……?)