私の恋人は布団です。
「布団にも寿命があるからねぇ」
「寿命?」
「そ。だから、布団としての隆也は……その内、使い物にならなくなるよ」
アキラの声は冴えざえしていた。
「人間としての隆也を選ぶなら、ハッキリさせるんだね」
「何をですか」
「分かってるでしょう。延チャンは賢い子だから」
「ハッキリ、しなかったら……?」
「消えるよ」
「……嘘」
「嘘じゃないモン!」
「……」
「その代わり、布団界でとっておきの言葉を教えてアゲル」
「何ですか布団界って」
「布団にしか効かないんだよ。隆也が本当に本当の人間になれる言葉。しかも、愛がこもってないとダメ」
「あの……勝手に話を進めないでくれますかね……」
「耳、貸して?」
(何言っても無駄だわ……この腐れ神様……)
「く、腐れって……延チャンの言葉責め健在でウレシイ〜」
(…………)