私の恋人は布団です。
「隆也……」
温もりを探るように布団を抱いて、呟く。
(隆也。……もっと、話したら良かった。好きって、言ってたら、どんな顔をしたんだろう?)
過去を懐古するように思いを廻らせた。
「隆也。私、隆也の事が、……好」
「ぅ、わ!!ちょっ、押さないで下さ……っ」
「ば、馬鹿!!今はヤバ…」
どたん、と物体が2つ落ちる音がした。
延の目の前には、転がる男が2人(でも多分人ではない)。
「……何、してるんですか……?」
低く冷気の漂う声に長髪の優男も今時の格好良い青年も固まった。