野良神様の32分間
「今日も暑いよね。教室にクーラーほしいよ」
「あはははっ!無理無理!この学校に、そんな金ないって!」
玄関に着き、「ちょっとした希望よ、希望」と言いながら下駄箱を開ける。
すると、そこには白い封筒があり、“野々山季柚さんへ”と書かれていた。
「・・・・何じゃこりゃ」
「ん?・・・・・・え!?えぇぇぇ!?」
「うるさい、お黙り」
「らら、ら・・・らぶ・・・・・」
驚いている美菜をよそに、季柚は封筒の中身を取り出した。
「世間一般で、ラブレターと言うやつだね。今時珍しいよ、こんな古典的な攻め」
「何呑気に!ちょっ、その中身この美菜お姉様に見せなさい!」
奪おうとする美菜の手をかわし、季柚は鞄に手紙をしまうと教室へと歩き出した。