野良神様の32分間




「今日も暑いよね。教室にクーラーほしいよ」

「あはははっ!無理無理!この学校に、そんな金ないって!」



玄関に着き、「ちょっとした希望よ、希望」と言いながら下駄箱を開ける。

すると、そこには白い封筒があり、“野々山季柚さんへ”と書かれていた。



「・・・・何じゃこりゃ」

「ん?・・・・・・え!?えぇぇぇ!?」

「うるさい、お黙り」

「らら、ら・・・らぶ・・・・・」



驚いている美菜をよそに、季柚は封筒の中身を取り出した。



「世間一般で、ラブレターと言うやつだね。今時珍しいよ、こんな古典的な攻め」

「何呑気に!ちょっ、その中身この美菜お姉様に見せなさい!」



奪おうとする美菜の手をかわし、季柚は鞄に手紙をしまうと教室へと歩き出した。



< 17 / 18 >

この作品をシェア

pagetop