野良神様の32分間
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「っい・・・たぁ・・・・」
「お、目が覚めたか。具合はどうだデカ女」
「・・・ある意味最悪よ」
頭を抱えて起き上がろうとすると、季柚は酷い頭痛に襲われた。
見渡すと、どうやら神社の中らしく、古い木の臭いが鼻をくすぐった。
助けてくれたであろう小人に、感謝の一言くらい言うものだが、人のコンプレックスをあだ名にしたことが原因で、季柚はその気が起きることもなかった。
「・・・・情けない。まさかこんなのに助けてもらうなんて」
「こっ、こんなのとは!俺は神だぞ!丁重に扱え!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・へぇ」
「貴様!信じていないだろ!本当だぞ!神様なんだぞ!」
「うん、オッケー、分かった分かった。落ち着こう?ね?小人さん」
「だ・か・ら、神様だっ!!」
小さい身体で必死に怒る姿は、小人そのものであるが、同時に感じる違和感を、季柚は感じ取った。
「・・・・・」
「・・・・漸く信じてもらえたようだな」
「・・・ね、ねぇ、小人さん?」
「だから神様!」
「貴方・・・・・・・・その身体で、どうやって私を此処まで運んだの?」
ほんの20センチメートル弱の身長で、季柚を運んだとは考えにくい。もし彼がいくら力持ちで、筋肉が凄かったとしても、長身の季柚を運ぶことは困難。