神様 オレ様 悪魔様!?(兄・真太郎番外編、完結!)
どれくらい頭を下げていただろうか


沈黙の後、父さんが言った


「やっとだな、翔真」


思いも寄らない言葉に恐る恐る顔を上げると


父さん、母さん、兄貴までが
優しい目でオレを見ていた


「私も母さんもお前が正直に自分の気持ちを話してくれるのをずっと待っていた」


「父さん…?」


予想外の言葉に戸惑っていると


「親父たち知ってたんだぞ。お前が陰で好き勝手やってるの」


と兄貴が言う


知ってた?


どういうことだよ?


オレの疑問だらけの顔を見て頷きながら兄貴は続けた


「だけどな親父たちは何か翔真にも理由があるんだろうからって。訴えたい思いがあるんじゃないかって、だけど、無理に聞き出すのではなく、翔真が話すのを待つことにしたんだ。だから、そっとしてたんだ。きっとその内お前から話してくれるだろうって。それまではそっとしておいてやろうって。決して、父さんも母さんも無視していたわけではないんだよ、お前の存在を」


何だよそれ…


何で早く言ってくれねぇんだよ


オレ一人、目一杯反抗して恥ずかしいじゃん


結局、誰もちゃんとオレを見てくれなかったんじゃなくて


オレがみんなの事をちゃんと見ていなかったんだな


バカだな…オレ


被害妄想もいいとこじゃねぇかよ


ガキみてぇだな、オレ


小さい頃お化け屋敷が怖いって泣いてた頃と全然変わってねーじゃん


カッコ悪…


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