神様 オレ様 悪魔様!?(兄・真太郎番外編、完結!)
〈有side〉


結局、翔真は出て行ったきり朝になっても帰ってこなかった


一人で過ごす夜がこんなにも心細いなんて


一人で眠るベットがあんなにも広いなんて


翔真といると気づかなかった


いつだって翔真が側にいるのが当たり前になっていた


「有」って優しく私の名前を呼ぶ翔真の声を思い出す


私に大切そうに触れてくれる翔真の手の温もりを思い出す


この冷えきった私の体を今すぐ暖めて欲しい


「翔真に会いたい…会いたいよぉ」


広い部屋に私の声が吸い込まれていく


夕べ、ほとんど眠れなかった私はいつもより早めに出社した


もしかしたら翔真が早く会社に来ているんじゃないかって


ほんの少し期待してた


会ったらまず謝ろうって


ついつい意地になって怒ったりしてごめんって


夕べ普段より広く感じる部屋で冷静になって考えてみると


最近の私、自分の事ばかり考えてた


知らないうちに翔真の気持ちを置き去りにしていたと思う


だから今すぐ会って翔真の気持ちを知りたい


そして私が何を考えどういう気持ちでいるのかをちゃんと伝えたい


会いたいよ翔真…


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