【短編】僕の名はインフィニティ
目を覚ますと、僕は毛布に包まれてヒーターの前に横たわっていた。

起きあがろうと、足を動かすとやはり激痛が襲う。

僕は死ななかったらしい。

くるくると足に巻きつけられた包帯が、全てを物語っていた。

「気がついた?あなた、ゴミ箱の前に倒れていたのよ?」

僕は黙っていた。

と、いうよりはお腹がすきすぎて声が出なかったのだ。

「もしかしてお腹がすいているの?」

相変わらず何も言わない僕に

キミは何も言わずに温かいミルクを差し出してくれた。

「あら?飲まないの?」

僕は猫舌なんだ。

キミはただ笑っていた。
< 6 / 19 >

この作品をシェア

pagetop