涙の恋
「とりあえず、ここを真っ直ぐ行って、左に曲がったそこだ。行けばわかると思う。」
「はい…」
「本当に一人で大丈夫か?ついていくぞ?」
「いえ、大丈夫です。そこまで気持ち悪い訳じゃないんで。」
手をあげても、こんな大勢の中じゃ先生たちも気づいてくれるハズなどなく。
結局あたしは、床を這って職員席まで向かったのだった。
えーと・・・
この廊下を真っ直ぐだっけ?
蒸し暑い体育館から解放され、まだ見慣れない校舎を進む。
廊下に出ただけで、だいぶ胸がスッキリした。
「左に曲がって…」
・・・
・・
・・・・・・あれ?
おかしい。
先生に言われたとおりに来たはずなのに、保健室が見当たらない。