カタチのないセカイの為に
※序章※
まだ、幼かった『あの時』
石積みから落ちたんだ。
『あの時』は
凄く高い崖のような石積みだった…。
僕は、
泣いてしまったんだ。
膝小僧を擦り剥いた、怪我をした足。
でも、足よりも、
一人ぼっちで
心細くって…。
怖かった。
その時、崖の上から声がした。
「ねぇ。落っこちちゃったの?」
『グスン。』
その時、小さな女神に会った気がした。