カタチのないセカイの為に
美咲は
『理子はバイトする必要のないお嬢様でいいなぁ。。』
そんな事を考えながら、結論を出した。


「旅行に行くまで一人でバイトするのかぁ。仕方ないかなぁ。。」


少しだけ、思い詰めたかのように言うと、
理子が笑顔で、口を開いた。

「私も、一緒にやるにバイトするわよ。」

美咲は、耳を疑うくらいびっくりした。



この学校で、バイトをしている人は、本当に一握りの生徒だろう。
中でも、理子はハイレベルのお嬢様なのに…。


理子の決心は固かった。

どんな事があっても、このチャンスを逃さないかのように真剣な眼差しで、口を開いた。

「一緒に、2週間バイトして、
一緒に、1週間遊ぶ。
だから、別荘に行くのは、合計で3週間ね。
残りの1週間は・・・・。
私が、美咲家に泊まりに行く!

決定!!!! 」


理子が、1週間の予定だけでなく、

私の約1ヵ月間の予定を考えていた事にやっと気付いた。

彼女は、抜かりない…。


理子は美咲の両手を、両手で持ち握った。

そして、『絶対に旅行に行くからね。』と

告げると、『急用が出来た』と言って、昇降口に歩き出した。




美咲は、下校途中の帰りの道で、昨日のお母さんの権幕を思い出した。


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