カタチのないセカイの為に
「何、女の子みたいな事。言っているのよ。
大体、あなたが言い出したのよ。
それに、『蒔かぬ種は生えぬ』じゃないの?」

「あー。そうなんだけど…。」

「がんばりな。
ダメモトでコクルって条件、
自分で出したんじゃない。」

「はい。」
優潤は、情けなさそうに返事をした。

その姿は、

夏休み前とは、全く正反対だった。




──夏休み前 (カフェ)───

美咲と、関わって欲しくない理子は、
『紹介するのは、嫌だし、無理よ。』
と突っぱねた。

でも、優潤は、
「自分で、何とか出来るなら既にしてるよ。
でも、話が出来ないんだよ。

入学式の時に、話しかけたらさぁ。
『は?どこかで、会いましたっけ?
全く、記憶にありません!』って言われたよ。

話しかけないでオーラ出し捲くってさぁ。
仕方ないから、
話が出来るチャンス探してたんだけど、
クラスの男も話が出来ないのが解ったから、
理子に、チャンスを貰えないかと…。」

理子には、優潤が少し不憫にも思えた。
しかし、
「確かに、美咲と話をする事は、難しいわ。
でも、あなたの中学の時の噂を考えると、

絶対に、近づいて欲しくないわ。」

理子は、親友を守る為。力強く言った。

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