カタチのないセカイの為に


優潤は気にせず話を進めた。


「でも、何処の中学に行くどころか、
何処に住んでいるかも…。

オーバーだけど、生きているのかも、
解らなかったんだよ。

だから…
中学校で逢いましょう計画は、
実行出来ず…だった訳…。

『あの時』の別荘には、
毎年行ってたけど、海では会えないし…。
中学の時も、
健吾と一緒に毎年行ってたんだ。
でも、全然会えないし…。

やっと逢えたんだよね。
運命じゃない?」

眼をまん丸にして、
理子の眼を見つめる。

理子は、真剣に悩み始めた。

優潤を、美咲には、

近づけたくない。

近づけたくない。


近づけたくない。


でも、そこまで考えていた優潤が、
不憫にも思える…。


あれ?

会話がずれている。

少し、和んでいるし…。


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