カタチのないセカイの為に
優潤は、話を進めた。

「亜里沙がさぁ。
周りにも眼を向けないとダメだって、
毎日の様に、色んな所に連れまわされて…。

さすがに自分に嫌気が…。

メチャクチャ自己嫌悪に陥っててさぁ。

これなら、誰でもいいから、
彼女作った方がマシなんじゃないかと
感じてたんだよね…。

亜里沙は、俺の事を心配して、
連れ回してたんだけど、
俺は、亜里沙の周りから解放されたかった。

どんなに遊んでても
『みさちゃん』がいいし…。」

優潤は、その時を思い出すかのように
遠い眼をしていた。


「凄いテンション落ちてる時に、
他校の人に、コクられて…。

思わず、『好きな子が居るけどいいなら、
付き合ってもいいよ。』って、
酷い事言っちゃったんだよね。
でも、そんな俺と付き合ってくれたんだよ。」

申し訳なさそうに、微笑を浮かべる優潤に、

理子は、相槌を打つ事しか出来なかった。

「俺、間違っちゃったんだ。
結局、相手の事、傷つけるだけだった。

冷たい態度とっても、
相手は一向に冷めないし。

俺は、どんどん自己嫌悪に陥るし…。

こんな事なら、亜里沙に何処か連れて行ってもらって、馬鹿騒ぎしてた方が、
俺にとっても、彼女にとっても、
いいんじゃないかと思って、別れた…。

本当に、悪い事したよ。
結局、相手の気持ち、利用したんだよ。」
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