カタチのないセカイの為に
母の『怒』……。
考えただけでも、ブルブルと悪寒が走る。
しかも、バイトするから日数伸びてるし…。
そんな事を考えながら、
恐る恐る家のドアを開けた……。
母は、いつもの様に
「みさちゃん。おかえりぃ♪」
明るい声で出迎えてくれた。
美咲は、自分の部屋に行き、鞄を置いて、
ゆっくりと深呼吸をしてから、
部屋をでて、夕飯の支度をしている母に恐る恐る近寄って、声を掛けた。
「お母さん……。」
キッチンに居る母は、リビングダイニングに出てきて、
美咲より先に、話し始めた。
「さっきねー。理子ちゃんが来てね。
『筆事も管理人さんも、居るので安心して下さい。』って。」嬉しそうに母が言う。
更に、言葉続き
「それから『宿題持参で1週間の寺院めぐり等の観光の前に社会勉強を兼ねて2週間のバイトを許して頂けませんか?』って言うから、OKって言っておいたわよん♪
丁寧に、別荘の住所と電話番号と素敵な筆事の忠君の携帯電話の番号と、
大好きな、胡桃入りのチョコケーキ
頂いたから安心して送り出せるわー♪」
と、母は明るい声で言った。
チョコケーキ…。。。。
これで落ちたんだな。と美咲はアッサリ見破った。
そして母は、本当に安心しきっている…。
でも、良かった♪と、私も安心した。
「お茶をお誘いしたのだけど、
『急用が在るので』って帰ってしまって残念だったのだけど、本当にしっかりしたお嬢さんね。良い友達を持ったわね。」
母は言った。