カタチのないセカイの為に
夏休みの予定なら、
会う日があっても、いいかも知れない…
しかし、理由はどうあれ…。
好きでもない人と、付き合うこと自体、
理子には納得がいかない。
正直に好きな人がいる事を伝えている。
でも、断っていない…。
いくら、自己嫌悪に陥っていたと言っても、
優柔不断に、変わりない。
しかし、
こんなに『みさちゃん』が好きだったとは…。
これじゃ。まるで、
『呪い』じゃない…。
でも…。
あれ?
確か、『みさちゃん』はあの夏に引っ越した。
いつ引っ越したんだっけ?
あんなに、仲が良かったのに、
引っ越した日の事を覚えていない。
いつの間にか、記憶から途切れている。
いつの間にか、居なくなっている。
でも、母と優潤と、引っ越し祝いを買いに
植木屋さんに行ったわ。
新しいお家の庭も、
沢山お花が咲くように…。
「ねぇ。優潤?
昔、3人で遊んでいた時。
美咲が引っ越した時の事。覚えてる?」