カタチのないセカイの為に
「でもさぁ。」
優潤が、口を開いた。
「旅行の予定を決定してきた日に、
更に、条件出しただろ。」
理子は、楽しそうに応える。
「うん♪」
「あれは、無理かと思ったよ。」
── バイトしている日に来て。
美咲に、しっかり自己紹介を
聞いて貰えなかったら
全て、キャンセルね。─────
「だって、折角の旅行なんだから、
楽しめた方が、いいじゃない。
美咲が、ずっと拒否反応してても、
追い掛け回されるのが眼に見えてたし。
そんなことになったら、楽しめないわ。」
理子はどう転んでも、
親友が楽しめるようにと、
ちゃんと考えていた。
「じゃぁ。今日頑張ってね。」
「おぅ。って、
振られるのは、解っているんだけどね。」
「種まき♪種まき♪」
理子は、楽しそうにだった。
優潤は、理子を観ながら、静かに笑った。