カタチのないセカイの為に
『トゥルルルル…。トゥルルルル…。』
理子の部屋の内線がなった。
「もしもし。」
「はーい。今行きまぁす!!」
明るい声が響き、電話を切った。
「皆に、ご飯って言ってきてねん♪」
「OK!」
優潤が、部屋を出ようとすると、
「あ。待って。」
理子が、思い出したように、呼び止めた。
「優潤、携帯番号変えたでしょ?」
「うん。ごめん。
まだ教えてなかったっけ?」
優潤がポケットに入っていた携帯を出した。
「まだ、番号覚えてないんだ。ちょっと待って。」
新しい携帯をピコピコといじりながら、
優潤は、ニコニコしていた。
新しい携帯にした事で、
世界が新しくなる事を願っているのだろうか?
「まだ、誰のアドレスも入れてないんだ。」
「登録0番は、美咲 狙い?」