カタチのないセカイの為に
『たかが噂、されど噂。』

優潤の噂話。
聞いた時は、何とも思わなかった。

優潤の噂は小等部でも、
内容は全く違ったけど、沢山あった。


小等部の時の、
元気だった優潤を思い出す。

変わっていない…。

結局は、中等部の時、
『遊び捲くっていた優潤』を作ったのも、
優潤の心の中で、美咲が関わっていた。



理子は、立ち上がると、
開いていた窓の前に立った。


人の出合いは、不思議……。

優潤が、どんなに願っても
手に入れられなかった美咲との中学時代。


『一緒に登下校とかしたいじゃん。』

高校生生活で、願いは叶うかしら…。
手に入れることが、出来るのだろうか?



『みさちゃん』と『ゆうくん』が、
あの時、会ったことも、

美咲が藍泉学院に入学してきた事も、

偶然じゃなくて、

必然で、運命なのかも知れない。


運命が、この世に存在する物でなかったら、


優潤の…

「呪いだわ。」

呟きながら、窓を閉めた。
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