カタチのないセカイの為に
感情を押し殺すのは、簡単だった。

美咲の方に視線を向けると、
今、話題の種になっている。
優潤の携帯電話に目線があった。


携帯から、美咲の目線を動かすように
呼び掛ける。

「ねぇ。」

美咲が、瞬きをしたかと思うと、
開いた眼は、優潤の瞳を覗いている。

あれ?
すげー。緊張する…。


美咲が、関わると不意打ちを突かれなくても
感情が殺せない……。


高々、番号を聞くだけなのに…。



美咲は、
『なに?』と聞くかのように、首を傾げた。


ドキドキ。ドキドキ……。

去年までの俺なら、考えられなかった事だ。



麦茶をゴクゴク飲むのと同じくらい、
容易い事なのに…。


必死で、感情を殺すと、
優潤は、口を開いた。


「番号。  教えて。」


言った!!

緊張したぁ。。。

必死で押し殺した
優潤のドキドキが少しだけ復活してた。
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