カタチのないセカイの為に
そんな優潤の緊張感が、
解るはずの無い美咲は、簡単に返答した。


「いいよ…。」


優潤の頭の中の思考回路が、
???マークで埋め尽くされ、停止した。

何か肯定的な発音じゃない、気が…する…。

「いいよ。 理子が知っていれば。」


美咲が、続けた言葉に
携帯番号を拒否された事に気付く。

同時に、虚しさと焦りを感じた。


何で???


なんで・ナンデ・何で???


教えてくれない。


教えてモラエナイ…。



『ヤダ!』



そう思うと、優潤は次の行動に出た。

「携帯貸して。
教えてくれないなら、
こっちの番号だけ、登録するから!」

悔しそうに、優潤が言う。


「別に、そういう訳じゃないんだけど…。」
美咲が、呟く。


理子と健吾は、二人のやり取りを観ながら、
堪えていた笑いが
止まらなくなるくらいに笑った。
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