カタチのないセカイの為に
『フルネームもアリカヨ…。
普通、名前だろ。名前。
コイツ…。間違いなく、単細胞だな。
うん。 間違いない。』

まぁ。そんなとこ、好きだけどな…。



優潤が、後ろを振り返った。
「先行ってなぁ。まだ早いけど、
電気だけ、先に点けとくから。」



美咲と理子と忠君は、優潤と健吾を追い越して、先へ進む。




木の葉を揺する風の音。


夏の虫達の声も聞こえる。


細い道の先には、素敵な庭が広がる。


数日前に見た時よりも、
ハッキリと庭が見渡せる。



美咲は、首を傾げ呟いた。

「デジャビュかなぁ。」

隣にいた理子が、
首を傾げた美咲の様子を伺う。

「どうしたの?」

美咲は、ボッソっと口を開いた。
「この風景、
前に、見た事あるような気がする。」

それは、小さい頃に、
夢で見た事があるような感覚。

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