カタチのないセカイの為に
あれから、
少しずつセカイが変化していった。

ただ、楽しいと感じるだけで変わった。

忙しかった両親が、寂しくない様にと、
習い事を沢山させてくれていた様な気もした。




『みさちゃん』に会うまでは、
何も感じなかった習い事も、

『みさちゃん』に会ってからは、
楽しいと感じることが出来た。


習い事の先生達も、あの手この手を使って
頑張っていたからだろう。


沢山の習い事は、無駄になる物は、
一つもなかった。



その知識は、感性や…

形の無い物に変わってしまっても、

知らなければ、

感じる事も考える事も

創造出来ない。


必ず、何処かで役に立っている。

役に立っている事に気付く事が出来なくても。



必ず……。


必ず。








「あれ、美咲は?」

優潤の問いに理子が驚く。


辺りをキョロキョロしていた美咲が

いつの間にかいなくなっている。



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