カタチのないセカイの為に
健吾は叫んでいる。

「美咲ぁーーーー!!」


「………」
応答は無い。


空は、橙色になって、日が沈みかけている。


空の色が橙色になると、
もう直ぐ暗くなる合図。



優潤は、携帯電話をポケットから取り出した。

ダイヤル0を押してから、通話マークを押す。


美咲のアドレスは0番に登録したので、
0→通話を押すだけで、
携帯は美咲にダイヤルしてくれる。


『プルルルル…プルルルル…プルルルル…
……  はい。』

電話の向こうから、美咲の声が聞こえた。


「今、何処?」
優潤は、平静さを保ちながら質問した。


『うーん。 
分らない…。

迷っちゃったみたい…。』

美咲の声は、寂しそうにも聞こえる。


「そこから、何が見える?」

『木が沢山あるよ。林みたい。
でも、暗くて良く見えない…。』


敷地には、沢山の木が生い茂っている。
これじゃ。探しようが無い…。


「他には?他には何かない?」


『うーん。木しかないなぁ。

あ!
ゴミ捨て場の近くだと思うんだけど、
なんと説明しらたいいのか…。』


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