カタチのないセカイの為に
優潤は、石積みから『ピョコッ』と下りると、
美咲の頭を撫でた。
「もう大丈夫だろ。」
美咲は、コクリと肯いて
まだ繋がっていた電話を切った。
もう大丈夫。
大丈夫なはずなのに…。
泣きたい訳じゃないのに…。
涙を止めたいのに…。
何故か、涙が止まらない。
自分の意思とは逆に、眼から溢れてくる…。
『ザワザワザワ……』
近くの草の中からする音を優潤は聞き落とさなかった。
優潤が撫でていた手が、
美咲の頭から離れる。
「行こう。」
声が合図になっていたかのように、
『フヮ…』と美咲の身体が宙に浮いた。
優潤は、簡単に両腕で
泣いている美咲を抱えあげた。
そして、
そっと美咲の身体を石積みの上に載せた。
美咲の涙は、この時やっと止まった。
その時だった。
ゴソゴソとしている草の中から、
不穏な気配を感じた。
殺気だった野犬が顔を出す。
『ウ゛ーーー』
と威嚇しながら
唸りながら野犬は、優潤を見ている。
優潤は、野犬を見ながら石積み沿いに
後ろへ下がると、『ヒョイ』と、石積みの上へ飛び上がった。
美咲の頭を撫でた。
「もう大丈夫だろ。」
美咲は、コクリと肯いて
まだ繋がっていた電話を切った。
もう大丈夫。
大丈夫なはずなのに…。
泣きたい訳じゃないのに…。
涙を止めたいのに…。
何故か、涙が止まらない。
自分の意思とは逆に、眼から溢れてくる…。
『ザワザワザワ……』
近くの草の中からする音を優潤は聞き落とさなかった。
優潤が撫でていた手が、
美咲の頭から離れる。
「行こう。」
声が合図になっていたかのように、
『フヮ…』と美咲の身体が宙に浮いた。
優潤は、簡単に両腕で
泣いている美咲を抱えあげた。
そして、
そっと美咲の身体を石積みの上に載せた。
美咲の涙は、この時やっと止まった。
その時だった。
ゴソゴソとしている草の中から、
不穏な気配を感じた。
殺気だった野犬が顔を出す。
『ウ゛ーーー』
と威嚇しながら
唸りながら野犬は、優潤を見ている。
優潤は、野犬を見ながら石積み沿いに
後ろへ下がると、『ヒョイ』と、石積みの上へ飛び上がった。