カタチのないセカイの為に

勝手に、皆から離れて、

勝手に、道に迷って、

皆に、迷惑を掛けた。



怒られる…。


怒られる…。



怒られる…!!


呼び掛けてから、なかなか先を言わない優潤。だから、美咲が先手を打つように口を開いた。


「ごめんなさい。」

声と同時に美咲は俯く。



続けて……
何度も何度も、頭の中で謝る。
『ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめん。ごめん。……』




「…………」


優潤は、何も言ってこない…。

『怒ってるよね!!ごめん!!　
あー。もー。何か言ってよぅ!!ごめんなさい!!』


もはや、美咲の頭の中は

『謝る事』と『許してもらう事』で
いっぱいになっていた。


しかし、優潤の返事は無い…。


美咲は、返答を急がすように、
「ごめんなさい。」
と、もう一度言った。


「…………」


優潤は、何も言わない…。

何で？？
そんなに怒ってるの？


美咲は、ちょこっとだけ顔を上げて、
優潤に視線を向けた。


『あれ？』